大判例

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東京高等裁判所 昭和27年(う)3523号 判決

〔抄 録〕

論旨第一点について。

しかし凡そ公務員がその職務に関し賄賂を受くる以上その職務が独立の権限に基くものなると又は上司の職務行為を補助するに過ぎない補助的の地位に基くものなるとを問わず収賄罪を構成するものと解すべきところ、原判示認定によれば被告人は総理府技官として東京特別調達局技術部役務技術第一課に勤務し、エレベーター等終戦処理事業費による進駐軍関係電気機械修理等の役務について調査及び積算等の職務を担当していたが、その在職中において横浜エレベーター富士美興業株式会社営業係横井新生より同会社が将来東京特別調達局と契約をする諸工事の調査、積算等について好意ある取扱を受けたいという趣旨でその報酬として供与されるものであることを知りながら二回に亘り現金合計参万円を受取り収得し、更に株式会社日立製作所機工部エレベーター課営業係今井泰より(その情を知つている原審相被告人三橋邦夫を通じ)右会社が東京特別調達局と契約をしたエレベーター修理工事の調査、積算等について好意ある取扱を受けた謝礼並びに同会社が将来同局と契約をする同様工事の調査、積算等について好意ある取扱を受けたいための報酬として供与されるものであることを知りながら現金五千円を受取つて収得したというのであるから、被告人の前記職務が所論の如く上司たる部長の職務の補助的地位に基くと否とを問わずその職務に関し収賄したものであることが明白である。又東京特別調達局の運営が占領軍の至上命令によつてなされたとしても右の解釈を左右すべき限りでない。

次に刑法第百九十七条の二は公務員又は仲裁人がその職務に関し請託を受けて第三者に賄賂を供与させ又はその供与を要求し若くは約束した場合にその適用があるのであつて、本件の如く公務員たる被告人が自らその職務に関し賄賂を収受した場合に適用すべきものではない。

論旨はいずれも原審の正当なる法律の解釈及び適用を独自の見解によつて非難するものであるから採用し難い。

註 本件破棄理由は量刑不当。

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